横浜市にカジノは必要か?横浜市のカジノ構想の目的と反対意見について

カジノ誘致を表明している中で、特に有力な候補地として見られているのが横浜市です。

2019年8月、横浜は「山下ふ頭」を候補地とし、2020年代後半にIR開業を目指すことを公表し、全国的な話題となりました。

山下ふ頭は、1963年、外資のためのふ頭として建設された埋め立て地です。

高度経済成長期には主力ふ頭として横浜港を支え続けてきましたが、近年は物流の拠点が別のふ頭に移行した為、IRの候補地として挙げられるようになりました。

しかし、山下ふ頭は現在も横浜のシンボルとして地元住民や観光客に親しまれている存在で、誘致を表明した今も、カジノを含む再開発に対する地元企業団体や住民からの反対の声が大きく残っています。

横浜市のIR誘致の目的とは

横浜市のIR誘致の最大の目的は税収の増加です。

IRによる増収は年間820億円〜1200億円という金額が期待できます。

このIRから得られる金額は、横浜市の1年間に企業から得られる法人市民税570億円を遥かに上回ります。

横浜市570億円という法人市民税収入は、他の大都市の収入よりも低い状況です。

横浜市の市税収入全体としては、4割を占める「個人市民税」が支えているため、減っているわけではありません。

しかし超高齢化社会を迎えるなかで、今後の税収増は望めず、逆に医療や介護に使われる費用は増えることが懸念されています。

そこで個人市民税に頼るだけではなく、さらなる財源確保策の一つとしてIRの誘致を行う、と考えているのです。

また財源確保だけでなく地域経済にもたらす効果も大きいのです。

横浜市はインフラが充分に整備されているため、国内外のアクセスについて問題はありません。

また、クルーズ船が寄港する場所もあります。

しかし、現状は日帰り観光客が多く、夜の経済が弱い状況であります。

横浜でIRを設けるとカジノやナイトレジャーの充実によって、宿泊者数の増加が見込まれます。

宿泊者数が増えることにより、IR区域内での消費が増え、地域経済に年間6300億円から1兆円こ波及効果を生み出します。

さらに年間7万7000人から12万7000人の雇用を生み出すと試算されています。

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横浜市のIR誘致に対する反対意見

① ギャンブル依存症

カジノがパチンコや競馬といった日本のギャンブルと違う点は24時間営業でフル回転するとこです。

ホテルと合体しているので帰宅する必要がないため、長時間、高額、高頻度でカジノ漬けになりやすく、ギャンブル依存症になりやすいのです。

カジノが無くても日本には約300万人〜500万人のギャンブル依存症の人がいます。

これは他国と比べても多い人数です。

日本人はギャンブル依存症になりやすいと言われているので、カジノによってさらに多くの依存症者が増えることが懸念されます。

②地域の経済を衰退させる

IRはカジノのほかにホテル、レストラン、娯楽施設、会議場といった施設がありますが、IRの中で客にお金を使わせるため、周辺地域に消費は向かいにくい傾向があります。

カジノへ集客するために他の施設を安価で利用することができるので、周辺地域は価格競争で太刀打ちできません。

またカジノができれば地元のパチンコ店は売上げが減ることが見込まれます。

周辺地域は価格競争で太刀打ちできず、結果地域経済の衰退につながるのです。

結果、IRへ客が吸い集められれば地域経済が疲弊し、消費が低迷することも予想されるのです。

③治安の悪化

賭博は古来から反社会的な勢力と結びつき、周囲に風俗店やヤミ金融を発生させます。

また不正にで手に入れたお金をどこかの機関や施設を通して手に入れる事で、犯罪で手に入れたお金という事をわかりにくくするマネーロンダリングに利用される可能性が高まります。

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④日本人への規制が厳しすぎる

ギャンブル依存症への反対の声を抑えるために、日本人の入場を制限しています。

外国人は無料なのに、日本人からは入場料6000円を取ります。さらに入場は週3回、月10回までしか認めらません。

本人確認のためにマイナンバーカードの提示が求められ、場内ではクレジットカードを使えません。

つまりキャッシュのみのプレイです。

場内にATMの設置も禁止されているので、それがなくなったら帰れということです。

日本人のギャンブルでの1日の平均賭け額は2万円ですので、カジノに入場しただけで、すでに予算の3割を使ってしまいます。

一般人には敷居が高いし、日本の富裕層はこのような厳しい規制があるなら、海外のカジノを楽しむでしょう。

つまり日本人からの収益は見込めないので、海外観光客が来なければカジノは成功しないのです。

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横浜市のIR誘致の今後の展望

IRは統合型リゾートと呼ばれるように、ホテルや劇場、国際会議場や展示会場などのMICE施設、ショッピングモールなどが集まった複合的な施設が多くを占め、カジノはわずか3%ほどの面積にとどまるといいます。

しかしIRはカジノの収益を元に成り立っている側面があり、カジノがなければIRの運営自体が難しいことは横浜市側も表明しています。

カジノがあることで、ギャンブル依存症者を増やしたり治安が悪化したりと、高リスクであることは間違いありません。

「年額820億円から1200億円増収」という財政確保と引き換えにそのリスクを受け入れる価値があるのか?

市民が総合的に判断できるよう、IRを誘致するメリット•デメリットのさらなる情報開示を行う必要があるでしょう。

個人的には日本はすでに少子高齢化が進み。シルバー世代を含む高齢者のケア、および年金受給者の増加による税制悪化はますます過酷することは必須であり、どうにか策を打って外貨を獲得し日本へ還元することが重要と考えます。

その打開策の一つがIR法案可決による統合型リゾートの展開になることは十分にあり得ます。

ただ地域住民の声にも耳を傾けなければならず、横浜市はさらなる情報開示と話し合いの場を設けることが必須となってくるでしょう。

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